200911ALT みんな変わってしまった

それは誰もが欲しがるあこがれの証。
あのバッヂに、石英の塊に。五画錐に。
白と黒で彩られた塊に憧れたあの日々。

富の証に憧れた日々を過ごしたものは、
筒の色、鏡の上下する音、その塊の肌触りに
意味を見出しその素晴らしさを語らった。

半世紀の時が流れたその証は元はと言えば
光の織り成す姿をありのままに汲み取る
それが生まれたときに与えられた使命。

かつてその使命を課せられた薄葉に代わり
電気仕掛けの金板を代わりに据えられた。

それでも、あの時憧れや官能が本質だった日々が
これからもずっと続くとみんな思っていた。

一度失った憧れの日々は、なかなか戻ってこない。

富と憧れの証に情熱を注ぐ者たちのための、
そのすべてであり最高の玩具だったそれは
いつの間にか簡単に誰しもの手に渡った。

その中で証に求められた使命は何時しか、
心の赴くまま感じた姿を現し、その美しさを
皆と分かち示すことを楽しむ絵筆になってしまった。

かつて与えられた、真の姿を写すことではなく
いつの間にか求められた官能というわけでもなく

それにすがる者たちは、
この時が神々の最後の戦いといわんばかりに、
その証の本来の使命が、憧れた日々に求めたものが、
永遠に皆の憧れであることを、続くことを叫び求めた。

叫び抗えども、その声は誰に届くだろうか?
その絶叫の果てに倒れたものの屍を
生き残されたものが糧として喰らう。

生き残った者の前に、再び陽は昇るのだろうか?
永遠に続くと信じていたその間に、
いつの間にか、みんな変わってしまった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください