それは誰もが欲しがるあこがれの証。
あのバッヂに、石英の塊に。五画錐に。
白と黒で彩られた塊に憧れたあの日々。
富の証に憧れた日々を過ごしたものは、
筒の色、鏡の上下する音、その塊の肌触りに
意味を見出しその素晴らしさを語らった。
半世紀の時が流れたその証は元はと言えば
光の織り成す姿をありのままに汲み取る
それが生まれたときに与えられた使命。
かつてその使命を課せられた薄葉に代わり
電気仕掛けの金板を代わりに据えられた。
それでも、あの時憧れや官能が本質だった日々が
これからもずっと続くとみんな思っていた。

富と憧れの証に情熱を注ぐ者たちのための、
そのすべてであり最高の玩具だったそれは
いつの間にか簡単に誰しもの手に渡った。
その中で証に求められた使命は何時しか、
心の赴くまま感じた姿を現し、その美しさを
皆と分かち示すことを楽しむ絵筆になってしまった。
かつて与えられた、真の姿を写すことではなく
いつの間にか求められた官能というわけでもなく
それにすがる者たちは、
この時が神々の最後の戦いといわんばかりに、
その証の本来の使命が、憧れた日々に求めたものが、
永遠に皆の憧れであることを、続くことを叫び求めた。
叫び抗えども、その声は誰に届くだろうか?
その絶叫の果てに倒れたものの屍を
生き残されたものが糧として喰らう。
生き残った者の前に、再び陽は昇るのだろうか?
永遠に続くと信じていたその間に、
いつの間にか、みんな変わってしまった。