うちの婆様は今年の1月7日に他界した。
去年の今頃はいろんな病気でヨレヨレながらも施設で
ぼちぼち暮らしていたが、年末にみるみる衰退してしまい、
結局は罹患歴とは全く明後日の原因で逝ってしまった。
誰もその日の準備をしてなかったから、そこからがドタバタの
始まりだった。それまで実家の仏壇に鎮座していたのは
「先祖代々」の位牌だったが、婆様が一番乗りを果たした。
肝心の墓も墓石業界の忙しさ故に、お盆の2週間前に完成した。
今まで宗教観もクソもなかった実家のメンバーが仏教及び寺との
関わりを持つようになった。とても不思議な話だ。
婆様と呼ぶべき物体は、これまでのプロセスでツボの中の
カルシウムに変化し、魂と呼ぶべきモノは生まれ変わる
その日まで、仏様の元で修行をするのだとか。我々が節目で
行う供養とやらは、その時の差し入れのようなものだ。
・・・と、住職が言っていた。うろ覚えだけど。

自分の一生を一度終えたら、またこの世界に還ってこれるだろうか?
「生まれ変わる」
科学的な証明のないナンセンスなアイデアだが、その言葉で
家族を失った人間が「ほんのり」救われるのなら、そこまで
無責任な言葉でもない気がする。
同時に、「自分がこの世界から消えてなくなる時」を考えた時の
不安からも、「ほんのり」救われる言葉でもある。
何の証明も確証も無いけど、何時か死んだとしても、
またこの世界に還ってきたいと自分は考えている。
また面倒なリアル人生ゲームが始まっていたとしても、その時
カメラ片手にバカをやっているのであれば上出来だと思う。