保育園の運動会が近いのです。
うちの保育園だけかどうかは知りませんが、子どもたちが
自分たちか何かの絵を書いて、それを万国旗の代わりにして
会場を飾ります。
運動会前ですが、もう飾ってありました。
チビっ子のそれを物色したのですが、見つけられませんでした。
しかし、彼らの画は面白いですね。
小さい子が人を描けば、点が3つまる一つ。
シミュラクラ現象のお手本のような感じです。
上の子になると、髪の毛の表現が枠にハマっています。
男の子は波平さんのようなまばらな毛の頭、女の子はどんな
髪型の子だったとしても軒並みツインテールです。
だとしても、全く同じ画にはなっていません。
友達と申し合わせて同じ画を描いたようなそれは有っても、
同じではありません。何かが必ず違います。

見えたものを描いて、生きていくお前。
使う色、線の太さ、同じ物を描いても描き味や構図、
注意深く見ていくと違うところが見つかります。
それがきっと、個性だと思いました。
目で見て、それをどういう風に表現するのか?
例外はあるとして、彼らは誰かに認めてもらうために描いている
わけではありません。形や色を正確に描くとか邪な思いはなく、
思ったことを、そのまま描いているだけ。
多分、そういうことは今だけしか出来ないと思います。
見えたものをただただ素直に描く。
人としての純粋ではない考えや気持ちで染まり、徐々にそれは
色褪せていく。誰かに教えられて、型にはまっていき、
そして何時か簡単には描けなくなっていくのです。
それでも、きっとこの先、何かしらを描き生きていくお前。
だまって目の前のそれを、何かで描いて行くお前。
もう人生40年弱を無駄に過ごしたとしか思っていない
自分なので、今の彼らがとても羨ましく感じました。